G Suite(有料)の活用事例・導入事例

Googleが提供しているグループウエア「G suite(旧Google Apps)」。G Suiteの中に含まれるGmailやGoogleドライブ、Googleカレンダー、Googleドキュメントなどは、無料で提供されていますので、個人として使っている方も少なくないでしょう。G Suiteは、こうした無料でも使えるサービスに企業向け、ビジネス向けの機能を追加して販売されています。仕事を行う上で最低限必要なものが入っていると言っても過言ではありません。

最近は人材不足や働き方改革の動きもあり、テレワークを導入したり、生産性を上げる努力をしたりといったことがどの企業でも行われていますので、G Suiteの導入を検討中の企業もあると思います。ただ、サービスの内容が充実しているのは理解できても、初めてグループウエアを導入する場合は具体的な導入イメージが湧きにくいというのもあるでしょう。そこで今回は、そのような人に向けて、G suiteではどのような業務改善ができるのか事例をご紹介します。

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(株)ダークマター

20人程度の小さな会社こそ、積極的にグループウエアを導入し、無駄をなくしていってほしいです。

G Suiteの概要

G Suiteの活用事例をご紹介する前に、簡単にG Suiteとはどんなものなのか概要を解説します。どんなサービスかは把握済という方は、読み飛ばしていただき「G Suiteの活用事例集」からご覧ください。

仕事に必要なものが集められているのが「G Suite」。Gmailなどは、そのG Suiteのサービスの一つです。皆さんもよくご存じのようにGmailなどは無料でも利用できるため、有料版を使うメリットが分かりにくい、違いが分からないという声を聞きます。そこで、ここでは無料版と有料版で何が違うのかを中心に説明します。

無料版と有料版の「G Suite」の大きな違い

無料版は、個人が使うことを想定したサービスで、有料版のG Suiteは企業をはじめとした複数人が連携して使うことに重点がおかれています。

有料版の場合は、個人任せの管理ではなく、管理者のみがアクセスできる画面があり、組織内のユーザーを一元管理することが可能です。例えば、業務用のノートパソコンを電車の中に忘れてきてしまった!盗難にあった!といった場合、そのノートPCを使えばユーザーのG Suiteにアクセスすることができてしまいます。つまり、重要な情報が漏洩してしまう危険性があるのです。そんなときに、有料版であれば管理者は、そのPCからG Suiteにアクセスできないように操作ができます。

また従業員が退職した際、無料版を使っている場合は個人での対応しかできないため、退職後も会社の重要なデータを持ち続けてしまう危険性があります。この点、有料版であればアカウントの削除が可能なため、管理者が適切に対応できるでしょう。他にも不正なアクセスがないかなど、組織全体を管理できるのが有料版の一つの特徴です。

GmailやGoogleドライブ、Googleカレンダーといった一つ一つのツールも無料版と有料版とでは違います。操作性は大きく変わりませんが、有料版は企業が仕事を行う上で必要な点が補強されているとお考えください。

例えばGmailであれば、無料版は「***@gmai.com」という形のアドレスしか使用できませんが、有料版は独自ドメインを使った「[ユーザー名]@[会社名].com」という形のメールアドレスを使用できます。当然、今お使いのメールアドレスをそのままGmailで送受信できるようにすることも可能。

Googleドライブは使用できる容量が大きく違います。

Googleカレンダーで他の人の予定を確認して、会議のスケジュールを設定し招待メールを自動送信するといったことも簡単!参加者に予定を聞いてまわって、空いている時間を確認して、会議のスケジュールが決まったらまたみんなに連絡するといったことを、今もし行っているのだとしたら、相当な時間の短縮につながるでしょう。

料金表

仕事でGoogleのサービスを利用しているのであれば、有料版はメリットが大きいのがお分かりいただけたと思いますが、気になるのは料金ですね。

G Suiteでは、2019年11月末現在、Basic、Business、Enterpriseの3つの料金プランが用意されています。料金は1ユーザー当たりで決められていて、いつでもユーザーの追加や削除ができます。

G Suiteは、どのプランも14日間のお試し期間が設定されていますので、導入を考えている場合は実際に使ってみて決めるといいでしょう。ただし、14日間というのは長いようであっという間です。積極的に使ってみないと、何も検証できないままお試し期間が終わってしまう可能性もあります。計画的にお試しされることをおすすめします。

G Suiteの活用事例集

G Suiteの概要はご理解いただけたことでしょう。これを踏まえて具体的にどのような活用事例があるのかを以下ではご紹介します。

自前のDCからG Suiteへの変更で高セキュリティを実現

G Suiteを利用することで、自前のデータセンター(DC)を用意するよりも高いセキュリティを実現できます。

クラウドサービスにセキュリティ面の不安を感じる人はまだいるでしょう。別のベンダーに情報を預けることはあり得ないとまで考えている人もいるぐらいです。しかし、今の時代は自前のDCよりもクラウドサービスを利用したほうがセキュリティは強固です。

セキュリティの強化には高い専門知識とコストがかかり、自前のDCでのセキュリティ強化は簡単なことではありません。言い換えると、自前のDCでクラウドサービス並のセキュリティを保つことは並大抵のことでは無いのです。今は人材不足で、優秀なエンジニアを見つけることは困難という背景もあります。たとえ見つかったとしても、相応の給与が必要であり、一般的な中小企業ではクラウドサービスにかかる費用で同程度のセキュリティを確保するのは、不可能と考えていただいたほうがいいでしょう。

セキュリティの確保という観点からG Suiteを導入した事例としては、ローカルPCに情報を保存することをやめ、原則、全てをG Suiteのドライブに保存することにした企業がありました。セキュリティの高い環境で全てのファイルをやり取りすることで、情報漏えいのリスクを最小限に抑えています。

G Suite上でどのような情報を管理するかは各社の方針によって異なる部分はあります。ただ、ローカルPCに情報を保存するのではなく、G Suite上に保存することでセキュリティのアップを見込めます。

ドキュメントの共有編集で作業効率のアップを実現

Googleには様々なドキュメント編集サービスがあります。G Suiteでも文書管理や表計算の管理が可能です。加えて、これらは共同編集ができるという大きな特徴があります。

複数人が同時に1つのドキュメントを編集できるので、誰かが編集している間の待ち時間がなくなるなど時間的なメリットが生まれます。また、クラウドサービスらしく更新がリアルタイムに反映され、他者の更新を確認しながらドキュメンを編集できる良さもあります。

この点に注目してG Suiteを活用している事例として、文書作成・校正の業務において1つのドキュメントを複数人で同時に編集できるようにした企業がありました。今までは複数人で対応するためにファイルのコピーを作成し、それぞれが編集した内容を1つのファイルにマージする形で業務を遂行。この形であっても、複数人で同時に作業することはできていましたが、ファイルのマージという無駄な作業が発生していました。この無駄をG Suiteの活用によって削減できています。

また、内勤の担当者が修正した資料を外勤の営業がリアルタイムに受け取れるようになり、業務スピードが向上したという事例もありました。今まではファイルを保存してメールにて添付をしていましたが、G Suiteでドキュメントを更新することで、メールする手間を省けます。メールだと添付漏れや、複数回の修正を繰り返すとファイルの先祖返りなど、人的なミスが生じる可能性もありますが、G Suiteであればこうしたヒューマンエラーも避けられます。加えて、同時に画面を開いて編集をすれば、G Suiteの画面上で情報のやり取りができるメリットも生まれました。

ドキュメントを複数人で共有し、編集することは仕事において多々ありえることです。G Suiteの導入で待ち時間を削減し、ミスが減り、作業効率のアップを実現できます。

メールシステムの集約でコストの削減を実現

G Suiteで利用できるGmailは、独自ドメインを使えます。Gmailは個人で利用している人も多いサービスですので、慣れ親しんだサービスで業務も進められるメリット、安心感もありますね。

Gmailのメリットを大きく受けた事例としては、拠点ごとに異なったメールサービスを利用していたのをGmailに集約したものがあります。今まではそれぞれの拠点ごとにメール閲覧アプリを導入していました。Windows標準のものを利用している人もいれば、何かしらベンダーが開発したものを利用している人も。つまり、1つのアプリに集約されていない状況です。

集約されていないため、メールの送受信はできるものの、それ以外の面で利便性が悪いという問題が発生していました。例えばトラブルが発生したときに対応できる人がいないことや、スケジュールの共有ができないなどの問題です。

そこでG Suiteを導入することで全社的な標準化を図りました。その結果、何かしらトラブルが発生してもスムーズに対応できるなど、業務の効率化を実現、コストの削減にもつながっています。

SFAとの連携で業務のミスを減らし効率化を実現

G Suiteで提供されているサービスの中には、営業支援ツール(SFA)とスムーズに連携できるようになっているものがあります。カレンダーの内容やメールの内容がその一例です。

顧客からのメール内容を簡単にSFAに取り込めるようにした事例がありました。つまりメールの情報をもとに営業管理ができるようになるのです。また、カレンダーの内容をSFAと連携して、両方に二重登録しなくともスケジュール管理ができるようにしました。

他にも、Google MAPと連携できるSFAを使い、顧客の情報を取り込んで地図上に表示している事例もあります。住所だけでは位置関係が把握しにくいですが、地図上に表示することで視覚的に把握でき、営業活動が行いやすくなりました。

Googleドライブを利用して営業資料を共有しやすくした企業も存在しています。自前でファイルサーバなどを用意しなくとも、G Suiteのサービス上で資料を作成してドライブで簡単に共有できるため利便性も高いのです。

SFAは単独でも高機能なものが多数存在しています。ただ、G Suiteを利用しているのであれば可能な限り連携することを意識するのがおすすめです。そうすることで業務のミスも減らせますし、情報を二重登録する必要がなくなるなど業務の効率化にも繋がります。

フルクラウドによる運用コストのミニマム化

G Suiteはフルクラウド型のサービスです。自前で何かしらの運用をする必要はなく、毎月の利用料金を支払うことで全てのサービスを受けられます。プランによってはサービスのサポートまで受けられるようになっています。

フルクラウド型ですので自前で運用するコストは最小限に抑えられます。少なくとも、サーバーの維持費などは発生しなくなるのです。また、それらを維持するための人件費も削減できますので、総じて運用コストのミニマム化が図れます。

その反面でG Suiteを利用するためのコストは必要です。ライセンス数に対してコストが発生しますので、運用コストは常に変動してしまうという課題もあります。ただ、この課題を踏まえても運用コストのミニマム化は図れるものです。

事例としては、自前のメールサーバーなどを廃止してG Suiteに統一した企業があります。今までは各種サーバーの維持費と要員の確保費が発生していましたが、G Suiteへの切り替えでこれがなくなりました。また、サーバーが手を離れたことで、リプレース費用も意識する必要がなくなりました。フルクラウドであれば、バージョンアップなども自動的に対応してもらえます。そのことも踏まえると、運用コストはG Suiteでミニマム化できると考えていいでしょう。

G Suite導入に合わせた新しい「働き方」を考える

G Suiteを導入するだけで業務が改善されるわけではありません。あくまでも便利にしてくれる道具に過ぎないのです。だから業務の効率化を期待するのであれば、それにあわせた新しい働き方やルールが必要になってきます。

既存の業務をG Suiteに移管するだけが正解ではない

既存の業務をG Suiteに移管することが正解とは限りません。中には、既存業務をG Suiteに落とし込みするほうが難しいケースもあります。

そのため、最初に頭に入れておくべきことは既存業務をそのままG Suiteに移管するという固定概念は捨てることです。G Suiteを導入することで同じように業務が進められることもありますし、違った進め方が求められることもあります。

G Suiteで簡単に実現できないことを、既存業務を移管したいがために検討なしに実現しようとすることはスマートではありません。業務を単純にG Suiteに移管するのではなく、G Suiteを使うことで新しい形で業務を遂行できる働き方を考えましょう。

特にG Suiteは最先端の働き方を実現するために、日々機能の改良などが続けられています。それらに期待して、G Suiteを主体とした働き方を見出す認識も必要とされています。

様々なことを天秤にかけて業務の見直しも考えるべき

G Suiteを導入する際には、様々なことを天秤にかけて業務の見直しも考えるべきです。そのままの業務をG Suiteに落とし込みすることが最善の策になる場合もありますし、逆に投資をして業務を改善することで、長い目で見ると最善の策であったと感じられることもあります。

これらのことを一つの観点から評価することは不可能です。思いつくだけでも以下のような観点から評価しなければなりません。
・導入コスト
・導入までの時間
・利用者への教育コスト
・利便性の高さ
観点には優先度をつけて、それぞれを天秤にかけた評価が必要です。G Suiteの導入を多角的に捉え、全てを踏まえた上で検討しなければいけません。G Suiteの導入に合わせて最適な業務の進め方を生み出すことが理想的ではありますが、業務の改善以外のことも総合的に評価することが大切です。

まとめ

G Suiteは多くのサービスがあり活用事例も様々です。活用事例を知ることで、「このような利用ができるのか!」と思っていただけたのではないでしょうか。

何かしら自社にも当てはまる事例が見つかったのであれば、この機会に導入や業務改善を本格的に検討してみると良いでしょう。時代の流れに乗ることで、企業価値をより高めることに繋がったり、働き方改革に繋がったりする可能性もあります。

もちろん、事例をそのまま落とし込めるわけではありません。事例を踏まえて自社にあったG Suiteの活用法を細かく検討する必要はあります。ただ、ITに関する困りごとはG Suiteを活用することで安価で素早く改善できるかもしれません。