中小企業は、IT化の4つの壁をどう解決する?

中小企業のIT化は、まだこれからですが、以前と比較すると、IT化を検討する企業は徐々に増えてきています。

一方で、中小企業のIT化は、何かしらの壁にぶつかりやすく、その壁があるために、なかなか進められないという現実があります。

そこで今回は、中小企業でぶつかりやすいIT化の壁を、中小企業のIT化をサポートしてきた経験からご紹介します。

中小企業のIT化を阻む4つの壁と解決法

中小企業のIT化を阻む壁は、主に4つあります。それらの壁と解決法について具体的に説明します。

1.既存業務がIT化に合致しない

中小企業は大手企業とは異なり独自の文化や業務が多々あります。一般的な業務に適合しないようなものが存在していることもありますし、経営者の方針や考え方によっても色々なパターンが存在するのです。そのような状況ですので、大手企業などで導入されている業界標準のパッケージソフトウェアがそのまま導入できないケースが多々見受けられます。

既存のサービスで、特にクラウド版が使えると、費用を抑えた導入が可能になりますが、独自の業務が多すぎると、こうした既存のサービスでは対応しきれず、IT化が進みません。

一方で、IT化により業務を変えることにはNGを示される例もあります。長年続けてきた方法を変えるのは大変ですし、不安も大きいのでしょう。でもそうなると、結局はIT化を諦める方向で決着してしまうことになります。

これは非常にもったいないことです。IT化はあくまでも手段であり、目的ではありません。IT化を行うことで、業務の効率化など何かしらの成し遂げたい目標があったはずです。

だからIT化をしようと考えたら、業務フローの見直しも同時に検討していくことをおすすめしています。今までの業務を変更することは不安もあり、反発を受ける部分ではありますが、それでも見直すことによって大きな価値、新たな未来が得られるでしょう。

IT化は既存の業務をITに置き換えることではありません。残念ながら既存の業務には無駄が多く、そのままIT化しても、IT化の価値を生み出すことが難しいというケースをいくつも見てきました。

業務フローができたときは、IT化されていなかったわけですから、その業務フローがIT化に適していないのは当然です。より良い形になるよう、必要な変化を受け入れ、IT化に適した業務フローを検討していくことも大事なのではないでしょうか。IT化を機に業務の見直しを行い、より生産性を上げていけるような体制を作っていけるといいですね。

2.IT化の初期費用を捻出できない

IT化を推進するための初期費用を捻出できないという壁もあります。中小企業の場合にはキャッシュフローの問題からなかなかまとまったお金が用意できないのが現状です。IT化に関する提案をすると、思ったより高額である、との認識を示されることも少なくありません。

特にIT化に関するメリットを理解されている場合、初期費用の壁に苦しみます。どんなにIT化で業務が改善するとしても、初期費用が用意できなければ何もできません。IT化によるメリットを感じながらも何もできないまま時間が過ぎてしまいます。

中小企業はIT化に限らずキャッシュフローに関する壁にぶつかることが多々あります。その現状を解消するために様々な補助金が用意されています。IT化に関してはIT導入補助金が有名です。IT化を促進することで、業務効率化や売上アップを推進するために用意された補助金です。

こちらの制度を活用すると、初期導入費用に関するキャッシュフローの問題を解決できる可能性があります。こちらの補助金はその名の通りIT化を推進するにあたり必要な費用を補助してくれる制度です。IT化には多くの初期費用が必要となることを踏まえ、国から事業者の負担を軽減する制度が提供されています。負担する費用の一部が補助される仕組みです。

補助金ですので採用されるためには一定の条件があります。IT化を考えているすべての中小企業がこちらの補助金を利用できるとは限りません。ただ、補助金の存在を知っておくことによって今まであきらめていたIT化を促進できる可能性もあります。

ただし、補助金ですので申請してから支給されるまでには時間が必要となります。ご注意ください。

3.IT人材の育成に時間や費用を捻出できない

IT化を推進するにあたり、これらに関する知識を持った人材の育成に時間や費用を確保できないことも壁となっています。仮にIT化に関する初期費用を捻出できたとしても、それを使いこなしたり社内で展開したりする人材がいないという問題です。

システムは導入するだけで効果があると言い切れるものではありません。IT化を推進したのであれば、社内全体でこれを活用する必要があります。活用できないのであれば、言ってしまえば宝の持ち腐れ状態となります。高額な費用をかけてIT化を推進したにもかかわらず、結果としては何も得るものがない状態となってしまいかねません。

既存の人材だけではIT化を推進したとしても、結局誰も使いこなせないという状況は往々にしてあります。使いこなせる人材がいないため、結局IT化を諦めてしまうことがあります。

また、使いこなせる人がいるとしても一人や二人という少人数のケースもあります。このような場合には、社内でITを教育する人材に負担がかかってしまうことを懸念してIT化を諦めてしまうことがあります。しかしIT化を進めるにあたり、一定期間誰かしらに負担がかかってしまうのは、ある程度やむを得ないことです。これは中小企業でも大企業でも同様です。

ただ、中小企業の場合には個人にかかる負担がどうしても大きくなります。そもそもの従業員数が少ないので、教育係に任命されるとその人にだけ負担がかかり、なかなか仕事を負荷分散ができないのが現状です。

そのような状況を打開するためには、正社員ではなくフリーランスなどの人材に短期的にお願いするのもいいでしょう。IT化を進めるために、数カ月だけ能力の高いフリーランスを契約するケースなどがあります。

確かに能力の高いフリーランスは単価の高い人材です。一般的なSEであれば月単価が100万円~200万円であるような場合でも、ITコンサルタントレベルになると月単価が300万円以上になることもあります。そのため、依頼をするにあたり「単価が高すぎる」と感じられるかもしれません。

ただ、短期的に見れば高い単価かもしれませんが、新しく人を採用するために必要なコストや採用してから育成するコストを考えると安いと感じることが大半です。

人材は必ずしも社内で揃える必要はありません。スキルの高い外部の人材にお願いをすることも検討するべきです。そうすることによって、IT化における中小企業の人材問題を解決できます。

4.IT化の費用対効果を正しく評価できない

IT化に対するメリットをそもそも正しく評価できないという壁もあります。評価できるだけの人材が揃っていないという表現が正しいかもしれません。メリットが理解できないのであれば、当たり前ですがなかなか導入に踏み切る方針とはなりません。IT化のように初期費用が高額になるものであればなおさらです。

経験上、多いものは、IT化を推進する業者の言いなりになっているのではないかという不安です。メリットを正しく評価できていませんので、騙されて高額なシステムを購入していると考えてしまうのです。

もちろんIT化には様々なメリットがあります。初期投資は高額であったとしても、使いこなせるのであれば十分に価値があるものです。しかし、中小企業の現場ではこの判断ができないケースの方が多いのです。今までITとは関係のない運営をしてきたので無理もありません。

IT化のメリットが感じられない場合、やるべきことは数値でメリットを評価することです。ITコンサルタントなどに依頼をして、具体的な数値でメリットを評価しましょう。ITコンサルタントはIT化を推進する企業とは異なった企業へ依頼することが重要です。

経営者であるならば、数値で示されることによってメリットが理解できるはずです。言い換えるとどのような数値を提示するかが重要です。経営層が納得するような数値を出さなければなりません。

必ず求められるものが費用対効果です。どの程度の投資に対してどの程度のメリットがあるのかを示すことが求められます。そして、費用対効果が大きいほどIT化に対する理解を得られやすかったことは言うまでもありません。費用対効果では、IT化によってどれくらいの固定費・変動費の削減が見込めるかなどを中心に提示します。

また、経営者からよく問われるのは回収までの期間です。短期的に回収することをメリットとしている企業もありますし、長期的に回収できればメリットがあるとしている企業もあります。これは企業の考え方による部分であり、場合によっては回収のプランを見直さなければならないこともあります。

数値の計算は素人が簡単にできるものではありません。経験に富んだITコンサルタントなどに依頼しましょう。コンサルタントであれば今までの経験から具体的な数値が出せるものです。依頼する際には上記のような観点を伝えて算出してもらうといいですね。

まとめ:中小企業でIT化の壁となるのは”お金”と”人材”に絡むものが大半

中小企業においてIT化の壁となるものは大きく分けて二つです。お金に関する問題と人材に関する問題です。

お金に関する問題は補助金を利用したり借入を利用したりすることによって解決できる可能性があります。特に費用対効果がしっかりと見込める場合、借入をしてでもIT化を進めたほうが長期的な目線では価値があると考えられます。金融機関もIT化に対する費用対効果を提示すれば、今の時代ですので比較的柔軟に融資をしてくれるはずです。金融機関での融資に限らず何かしらの方法で現金が調達できるのであれば、その資金を利用してIT化を進めてみると良いでしょう。

それに対して人材に関する問題はなかなか簡単に解決できません。社内で育成をしたり採用したりすることはハードルが高いものです。その結果、ハードルを乗り越えることは不可能だと判断をしてIT化を諦めてしまうケースもありました。

この問題に対応するためには、雇用にこだわらず、フリーランスなど、即戦力として期待できる人材にもアプローチしてみることが重要です。IT化推進に必要な時間だけお願いする形にすれば、フルタイムで雇用するよりもコストを抑えられるでしょう。

中小企業のIT化についてご相談等ありましたら、以下までお願いします。