中小企業に合うのは「G Suite」と「Office 365」のどちら?比較して違いを解説
こんにちは。
当ブログでは、これまでに「G Suite」と「Office 365」をご紹介しました。どちらも優れたサービスであり、実際の導入を考えると、迷われる方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、中小企業向けに、両者を比較検討し、違いに焦点を当て解説していきます。
両者の主なサービス内容をお知りになりたい方は、先に以下をご覧ください。
▼【G Suite(旧Google Apps)】有料版は、無料版とはどう違う?
▼「Office 365」の選び方!各プランを徹底比較!個人&小さな法人向け
何を期待しますか?
あなたが「G Suite」や「Office 365」に求めることは何ですか?
どちらも非常にすぐれたサービスで、多くのことができます。
正直なところ、優劣はつけられません。
でもどちらの方が自社に合うかというのはあるでしょう。
まずは、御社が求めることを優先順位をつけて書き出してみることをおすすめします。
そして、その項目をみながら、お読みいただくと目移りせずにご検討いただけることと思います。
料金はもちろん大事です。
でもそこにとらわれ過ぎて、「こっちの方がお得ではないか」という基準で選んでしまうと、誤った選択をしまうことも……。
新規でサービスを契約するのも大変ですが、利用中にサービスを変更するのはもっと大変です。
後悔のない選択をされることを願っています。
何かありましたら、遠慮なくお問合せください。
「Office 365」と「G Suite」を比較
【基本的な機能】
両サービスともに、名称は異なるものの基本的な機能は同じです。主な機能を表にまとめました。
機能 | Office 365 | G Suite |
ドキュメント | Word | Google ドキュメント |
表計算 | Excel | Google スプレッドシート |
プレゼンテーション | PowerPoint | Google プレゼンテーション |
メール | Exchange Online / Outlook | Gmail |
スケジューラ― | Outlook | Google カレンダー |
ビデオ会議 | Skype for Business | Google ハングアウト |
オンラインストレージ | OneDrive for Business | Google ドライブ |
社内サイト | Yammer / SharePoint Online | Google サイト |
どちらのサービスもパソコンだけではなく、スマートフォン用アプリも提供されています。
営業職など外出の多い方にとって、モバイル機能は業務効率につながるので気になる方も多いことと思いますが、操作性に関しても優劣がつけがたいです。
大きな違いは、G Suiteはクラウドでの提供なのに対して、Office 365はクラウドでも、各端末にインストールしてでも使うこともできる点。
(Office 365も一部クラウド版のみのプランもありますのでご注意ください)
G Suiteをオフラインで使えるように設定することもできますが、Office 365はインストール版ですのでフル機能を使用できます。
インストールや更新の手間がかかるともいえますが、オフラインでしっかり使いこなしたい方は、Office 365の方がいいでしょう。
【料金(プラン)の違い】
サービスの導入を考えるときに、機能に加えて重要になるのが料金ですね。
Office 365は特に多くのプランがあるので、ここで単純に比較することはできませんが、一般的な中小企業の選択肢になる範囲で価格とポイントになる性能を表にまとめました。
下位モデル | 下位モデル | 中間モデル | 上位モデル | 上位モデル | |
Office 365 | G Suite | Office 365 | Office 365 | G Suite | |
Office 365 Business Essentials | G Suite Basic | Office 365 Business | Office 365 Business Premium | G Suite Business | |
価格(年額) | 6,480円 | 6,000円 | 10,800円 | 16,320円 | 14,400円 |
ドキュメント 類 | Web版のみ | Web版のみ | Web版&デスクトップ版 | Web版&デスクトップ版 | Web版のみ |
ストレージ容量 | 1TB | 30GB | 1TB | 1TB | 無制限(5ユーザー未満だと1TB) |
メールアドレス | 独自ドメイン | 独自ドメイン | × | 独自ドメイン | 独自ドメイン |
組織全体での管理 | 組織全体の使用状況やセキュリティを監視できる | × | 組織全体の使用状況やセキュリティを監視できる | 組織全体の使用状況やセキュリティを監視できる | 組織全体の使用状況やセキュリティを監視できる |
Office 365とG Suiteでの価格差は、多少G Suiteの方が安いものの、年額ということを考慮すると大きな差はありません。
ただし、サービス内容については少し異なります。
下位モデルの「Office 365 Business Essentials」と「G Suite Basic」ですと、どちらもWordやExcelといったドキュメント類はWeb版のみですが、Office 365の方が年額480円高いかわりに、ストレージの容量が大きく、組織全体の利用状況やセキュリティを監視できます。
Office 365は、「Office 365 Business」という中間のプランもあります。デスクトップ版(インストール版)のOffice ソフトが使用できるようになりますが、独自ドメインのメールアドレスは使えません。
上位モデルの「Office 365 Business Premium」と「G Suite Business」は、Office 365の方が年額1,920円高くなりますが、デスクトップ版のOfficeソフトが使えるようになります。ただし、ストレージ容量は、5ユーザー以上だと、G Suiteは無制限なのに対して、Office 365は1TBです。
「Office 365」と「G Suite」のどちらがいいかというのは、度々話題になるだけあって、ここまでの説明だと、決め手にかけるという方も多いかもしれませんね。
次からはもう少し細かい話、とはいえ重要なポイントになる話をしますので、引き続きお付き合いください。
会社の方針、何をしたいのかを考えて選ぶ!
機能面および費用以外で選ぶときにポイントになる点を表にまとめました。
下位モデル | 下位モデル | 中間モデル | 上位モデル | 上位モデル | |
Office 365 | G Suite | Office 365 | Office 365 | G Suite | |
Office 365 Business Essentials | G Suite Basic | Office 365 Business | Office 365 Business Premium | G Suite Business | |
中国で事業展開をしている(検討している) | ○ | × | ○ | ○ | × |
Officeソフトの依存度が大きい | △ | × | ○ | ○ | × |
セキュリティを重視 | ○ | △ | ○ | ○ | △ |
データの保存場所は? | 日本 | 海外 | 日本 | 日本 | 海外 |
運営・管理のシンプルさ | ○ | ○ | △ | △ | ○ |
グループウエアとして使いたい | ○ | × | × | ○ | × |
メールの機能を重視したい | △ | ○ | × | △ | ○ |
◇中国で事業展開をしている(検討している)
なぜ中国と思われるかもしれませんが、中国ではGoogleが規制され、サービスを使うことができません(2017年10月現在)。つまりG Suiteは利用不可ということです。だからといって、Office 365であればどの国でも大丈夫といえるわけでもありません。いつ何が規制されるかは分からないことですが、クラウド上のサービスを使用する場合は国の規制によりサービスが利用できなくなる可能性があることを知っておいたた方がいいでしょう。業務上、ドキュメント類の編集が必須であれば、Office ソフトのインストール版が使える「Office 365 Business」「Office 365 Business Premium」を契約しておくと、良いかもしれませんね。
◇Officeソフトの依存度が大きい
業務上、Officeソフトへの依存度が大きいようでしたら、インストール版が使用できる「Office 365 Business」「Office 365 Business Premium」を選択するのが王道ですが、既に買い切りタイプのOfficeソフトをお持ちの場合は「Office 365 Business Essentials」を契約し、買い切りタイプのOfficeが使えなくなったら、Office 365のプランを変えるのもひとつです。プランの切り替えについてはこちらをご覧ください。
◇セキュリティを重視
普段はあまり見ることがないかもしれませんが、MicrosoftとGoogleとでは、プライバシーポリシーが大きく違います。Office 365を提供するMicrosoftは「Office 365に格納したデータを一切活用しない」としていますが、G Suiteを提供するGoogle「端末、ログ、現在地など、一部の情報を収集し活用する」としています。またOffice 365が日本法を適応しているのに対して、G Suiteは米国法が適応されています。
通常使用する上では、あまり大きな差はありませんが、会社にとって大事なデータが一企業でもあるGoogleに収集され活用される可能性があるというのは、あまり好ましくないかもしれませんね。
◇データの保存場所は?
Office 365は、国内にのみデータが保存されているのに対して、G Suiteは世界各国に数カ所のデータセンターがあります。このため、G Suiteの方が災害や事故などによりデータを消失する可能性は低いでしょう。ただし、Office 365の場合も関東と関西に分かれているので、よほどのことがなければ被害を受ける可能性は低いです。
◇運用・管理を出来る限りシンプルにしたい
できる限り、運用、管理をシンプルにしたいという希望があれば、端末のOSに依存せずWEBブラウザのみで使用できるG Suiteと「Office 365 Business Essentials」に軍配があがります。「Office 365 Business」「Office 365 Business Premium」は端末ごとにインストールや更新が必要な分、少し手間が増えますね。
◇グループウエアを使いたい
ワークフローやプロジェクト管理などを行いたい場合は、社内SNSツール「Yammer」、プロジェクト管理ツール「Planner」などが使える「Office 365 Business Essentials」「Office 365 Business Premium」を選ぶといいでしょう。
◇メールの機能を重視したい
好みや慣れもあるので一概には言えませんが、メールを重視する場合は、迷惑メールやスパムメールのフィルタリング機能が高性能なGmailが使え、独自ドメインもOKのG Suiteがおすすめです。独自ドメインだけであれば「Office 365 Business Essentials」「Office 365 Business Premium」も取得可能です。
今回は以上になります。
弊社では、中小企業がIT化を推進する際、企業にあった形で適切に実施されるよう、コンサルティングを行っております。何かお困りのこと等ありましたら、遠慮なくお問合せください。
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