中小企業でIT化が進まない理由

中小企業はIT化が進んでいないと言われています。世の中的にこれだけIT化が叫ばれている時代ではありますが、こうした仕事をしていても、IT化が進んでいるのは一部の中小企業に限られているのを肌で感じます。

ただ、中小企業でIT化が進まないのには理由があります。IT化の障壁となるものが存在しているのです。どのような理由で中小企業のIT化は進まないのでしょうか。中小企業のIT化を阻む壁について説明していきます。

中小企業ではIT化が遅れている

繰り返しにはなりますが、大企業と比較して、中小企業のIT化は遅れています。

ここで重要な事が1つあり、中小企業の多くではIT化が進んでいないことが自覚できていません。自覚ができていないことで、どのようにIT化を進めるか検討すらしていない状態となっています。まずは中小企業において、IT化は進んでいないという現状を理解することが大切です。

そして、遅れている現状を改善しなければいけないという意識も必要です。遅れていても特に困っていないと軽く考えてしまうかもしれませんが、IT化が進んでいる企業を知ると、危機感がわくでしょう。1時間かけて手作業でやっていることが、5分で終わっている企業があるのですから。

中小企業でIT化が進まないのはなぜ?障壁となる5つの理由

中小企業でIT化が進まないのには5つの理由があります。IT化の障壁となることについて具体的に説明していきます。

1. ITよりも人間が正しいと考える経営陣の存在

中小企業においてIT化が進まないことの大きな理由に、今でもコンピューターが処理をするよりも人間が処理をした方が正しいと考える経営陣の存在があります。ITの正確性を未だに信じられていない人が一定数います。

社歴の長い中小企業の場合には、それだけの経験がありますので、自分たちがやってきたことが正しいと考える傾向にあります。もっと言うと、自分たちのやり方を疑うことをしません。自分たちが苦労して確立してきた方法、ノウハウをコンピューターによって簡単に処理できるはずがないと考えているのです。

このような経営陣が存在する会社の場合、IT化を推進しようとしたとしても人間の力でやればいいと拒否されてしまう可能性があります。また、そもそも人間の方が正しいと考える経営者がいるとIT化は進みません。ITを信じられないことが障壁の1つとなります。

当然、人間がやった方がいいことも多いです。要は、IT化した方が効率よく精度が高まるもの、人間が行った方がいいものを考えて対処していく必要があります。

2.費用対効果が短期的には実感しづらい事実

中小企業では費用対効果がなかなか実感しづらい点も障壁です。特に高額な投資に対する効果が実感しにくいということが問題です。

IT化の内容にはよるものの一般的に初期投資は高額になる傾向にあります。システムの導入であれば数百万円必要となることも多々あります。IT化に必要な費用という意味では一般的な価格ですが、中小企業が投資をするには高額な金額であることには間違いありません。

これだけ高額な投資をしても、費用対効果を実感できるのは数カ月後や1年後です。経営者がなかなかすぐに実感できるものではありません。そのため、短期的な視点しか持っていないような経営者の場合には、IT化をしても費用対効果がないと門前払いされてしまうのです。

一般的にIT化に対する効果はすぐに目に見えるものではありません。最初は新しいシステムに戸惑いもありますし、効果はある程度の時間が経過してから現れるものです。しかし、中小企業の場合にはこの時間までも惜しいものであると考えてしまうことがあるようです。その結果、IT化に対して否定的な方針を取ってしまうという壁が生まれます。

ただ、これらの問題はクラウドサービスを活用することによって解決できる可能性もあります。オンプレミスでIT化を進めるとなるとハードルは高まってしまいますが、クラウドサービスの活用で少ない初期投資でもIT化が進められるようになりました。初期投資が少なくなればそれだけ費用対効果を感じやすくなりますね。

初期投資が高額になることによってIT化に対する壁が生じてしまいます。しかし、クラウドサービスの活用によってこの壁はある程度取り除ける可能性があります。

3.何をIT化すれば良いのか判断できない

中小企業ではIT化すると言っても何をすれば良いのか判断できないことが多々あります。判断できないことが、中小企業でIT化を進めるにあたり壁となるのです。

特にIT化をするにあたり、今までの業務とやることが変化してしまうことに不安を感じる経営者がいます。今までできていたことがスムーズに進められないことに不安を感じるのです。そのため、何をやれば良いのか分からず変化に対する不安が生じるのであれば、最初からIT化しないという判断になるのでしょう。

確かにIT化といってもその内容は多種多様です。中小企業の経営者がイメージできないのも仕方がない部分があります。例えば中小企業で考えられるIT化には以下のような対象が挙げられます。

  • 人事系システム
  • 生産系システム
  • 流通系システム
  • TwitterFacebookなどのSNS運営
  • 社内ホームページやポータルサイト
  • 承認作業 など

これだけ多くの対象があると、中小企業の経営者でありITの専門家でない人は何から取り掛かれば良いのか判断できないのも無理はありません。

つまり、何をやらなければならないのかがよく分からないことが壁ですし、分かっていたとしても大きな変化につながるという不安も壁になります。どちらに進んでも何かしらの壁がある状態です。

こうした企業の場合、IT化を進めるにあたり、一緒に伴走し、適切な選択肢を用意し、判断を促すような存在が必要でしょう。

4.従業員がシステムを活用できない

従業員がシステムを活用できないこともIT化の壁です。どんなに優れたシステムの導入をしたとしても、それが正しく活用されなければIT化が成功したとは言えません。

中小企業でIT化の結果が正しく活用されないのには以下のような理由が考えられます。

  • 経営陣がIT化を理解できていても現場が理解できないケース
  • IT化の提案をしても経営陣も現場も理解できないケース
  • メリットは分かるが操作を覚えられないケース
  • ITよりも紙など既存の運用で対応したほうが早いと利用をやめてしまうケース

IT化は、多くのコストを掛けて導入するものですので、活用できないのであれば意味がなくなってしまいます。活用できないリスクを感じることがIT化の壁となってしまいます。

従業員がシステムを活用できるかどうかは、会社としてのITリテラシーの高さなどにも左右されます。また、ITの教育に時間を使えるかどうかなどにも左右されます。必要に応じて外部の専門家にサポートをお願いするといいでしょう。

5.コミュニケーションが失われるとの懸念

IT化を進めることによって、会社内のコミュニケーションが失われてしまうという固定概念もIT化を遅らせます。実際にはそのようなことはありませんが、固定概念が根強い企業は存在しています。

特に昔から長く経営されている中小企業の場合には、メールよりも電話や直接会話をする方がより良いコミュニケーションが取れると考える傾向にあります。文字だけでやり取りをするのではなく、人の顔を見ながら伝えたり声で伝えたりすることが大事だとされているのです。

しかし、これはただの固定概念にすぎません。話の内容によっては、直接会話することがいいものもありますし、メールやチャットの方がスムーズな場合もあります。メールやチャットの方が、文字で記録が残る分、言った言わないで揉めることがありません。また相手は都合のいいタイミングで見ますので、相手の邪魔をしないコミュニケーションとも言えるでしょう。

中小企業でIT化を進めるためにやるべき2つのこと

中小企業でIT化を進めるためには、やらなければならない事が多数あります。ここではそれらの中でも、特に認識して対応しなければならない2つのことをご説明します。

1.ITを理解できる人材の育成や採用

IT化を進めるにあたり重要なことはITを理解できる人の存在です。中小企業に限らず、ある程度はITに精通した人がいなければIT化を成功させることは難しいでしょう。

社内でITを理解した人を用意するための方法は2つです。現在働いている人材を育成する方法と新しく人材を採用する方法です。

IT化が遅れている中小企業の場合には、すでにITに精通している人は少ないことでしょう。精通している人がいれば、既にIT化が進んでいるはずです。IT化が進んでいないということは人材を用意しなければならないことを意味しています。

ただ、新しく人材を採用するのはコスト的に厳しいという面もあると思います。またフルタイムである必要はないこもありますね。そんな場合は、フリーランスの方にお願いするのも一つです。週に何時間といった契約も可能で、優秀な人材にお願いできると、加速度的にIT化を進められるでしょう。

2.段階的なIT化を検討する

IT化を進めるのであれば段階的に計画をすることが成功のポイントです。一気にIT化を推進しようとすると、変化を恐れる経営者から反対されたり、現場が混乱したりする可能性が高まります。

ただ、どう段階的にIT化を進めるか立案するのは容易なことではありません。段階的なIT化のプラン作成に関しては専門家に依頼することをおすすめします。コンサルタントであればIT戦略や経営戦略と組み合わせたプランを立案してくれるでしょう。会社全体で進むべき道を一緒に考え、実現可能な道筋を示してくれます。

何事も一気に進めるよりは段階的に進めたほうが成功率は高まります。上手くいかなかったときの軌道修正も用意です。勢いで一気に進めたくなるかもしれませんが、ここは着実に段階的に進めて壁を少しずつ壊していきましょう。

また、段階的なIT化は初期投資を分散させることにも繋がります。高額な予算を用意できない場合でも、段階的なIT化によって解決できる可能性があります。

まとめ:中小企業は段階的な導入でIT化を検討するべき

中小企業ではIT化が遅れているのが現状です。

ただ、IT化が遅れているのには理由があります。中小企業だからこその理由やIT化に対する壁がある状態です。遅れていることは事実ですが、遅れている理由があり、そこにまずは目を向けることも大切でしょう。

IT化においてぶつかる壁を分析してみると人間の心理や人材の確保に関する部分が中心です。特に業務内容に変化が生まれることに不安を感じるようです。

しかし、不安を感じるからと言ってIT化を避けているといつまでも取り残されてしまいます。このような状況にならないためにも段階的にIT化を進めることは必須です。

携帯電話が登場した当初は、実際に持っている人は僅かでした。この時代なら携帯電話を持っていなくても特に不便を感じることはなかったことでしょう。でも今の時代だとどうでしょうか?すぐに連絡がつかないというのは、ビジネスチャンスを逃す可能性すらあります。IT化も同様です。ただし、IT化は機器を購入して終わりではなく、時間もかかりますので、早めに検討されることをおすすめします。

IT化も段階的に進めれば業務の変化は少なくなります。金銭的な負担も軽くなります。一気に全てをIT化しようと考えるのではなく、段階的な導入で小さな壁を乗り越え続けることでIT化を成功させられるでしょう。

中小企業のIT化についてご相談等ありましたら、以下までお願いします。