Logicool CRAFT KX1000s をレビュー!MacとWindows両方使いにおすすめ

 ロジクールのキーボード「CRAFT KX1000s」

Logicool(ロジクール)のキーボード「CRAFT KX1000s」とマウス「MX Master 2S」を購入しました。
とても快適な仕事環境になりましたので、「CRAFT KX1000s」の話を中心にご紹介します!

ロジクール「CRAFT KX1000s」の良いところ

筆者は、Windows1台、Mac2台のパソコンを使用しています。
それぞれにキーボードとマウスがあり、机の上がかさばっていて、長年の悩みでした。
この状態を解決してくれたのが今回購入した商品です。

キーボード1つで、3台のPCまで接続設定が可能。
MacにもWindowsにも対応しています。
キーボードのレイアウトはMac・Windowsの両対応設計。
1から3の番号ボタンをタッチするだけで、デバイス間を切り替えながらタイピングできます。

このキーボードとFLOW機能対応マウスを一緒に使用すると、マウスを動かすだけでキーボードも同時に切り替わります。
番号ボタンのタッチは不要です。
ディスプレイの端にマウスを持ってくると、別のパソコンにカーソルが移動します。
キーボードは、マウスが機能しているPCで使えます。

パソコン間を自由に行ったり来たりできるのはとても便利です。
1台のPCをマルチディスプレイで使っているような感覚。
パソコン間で画像やファイルのコピー&ペーストもできますよ。
作業効率が一気にアップしますね。

ちなみに、キーボード「CRAFT KX1000s」も、マウス「MX Master 2S」も、ワイヤレスで使用でき、Bluetooth接続か、Unifying接続か選べます。

目玉のCROWN(クラウン)とは

CRAFTの目玉機能「CROWN(クラウン)」。
左上についている丸いダイヤルがクラウンです。
AdobeやMicrosoft Officeなどのソフトウエアに対応。
回転させたり、押したり、タッチしたりすることで、操作ができるようになります。
ソフトウエアごとに、動作を割り当てることが可能です。

クラウンについてより詳しく知りたい方は、Adobeが公開している以下の動画をご覧ください。

クラウンを便利と感じるかどうかは、パソコンでどのような作業をしているかによりそうです。

マックの場合に、キーボードをJIS配列で使うには

CRAFTをBluetoothでMacと接続すると、US配列になってしまい苦労しました。
ネットで調べてみると、同じような悩みを持つ方が多いようです。
結局、Unifying接続することで解決しました。

Unifying接続する場合、Unifyingレシーバーは各パソコンに1つずつ必要です。
キーボードとマウス、両方使う場合も、Unifyingレシーバーは各パソコンに1つあればOK。
Unifyingレシーバー1つで6台まで関連機器を接続できます。

マルチデバイス対応の「K780」と「CRAFT」との違い

ロジクールでは「CRAFT」の他に、「K780」もマルチデバイスに対応しています。
K780は、パソコン(Windows/Mac)はもちろんのこと、タブレットやスマートフォン(Chorome OS/iOS/Android)でも使え、FLOW機能も使えます。

大きな違いとしては、次の4点。

  • K780は、CRAFTが対応していない、タブレット、スマートフォンでも使用可能
  • K780には、クラウン機能がない
  • CRAFTは充電式なのに対して、K780は単四乾電池が2本必要(電池寿命:24カ月)
  • 価格はCRAFTが2万円超であるのに対して、K780は1万円程度

クラウンは不要という方は、K780も選択肢として検討されるといいでしょう。

フリーソフト「ShareMouse(シェアマウス)」でFLOW機能を使う方法も

いろいろ調べてみたところ、「ShareMouse(シェアマウス)というフリーソフトをインストールすると、FLOW機能を使えるようになるようです。
MacにもWindowsにも対応。
ただし、無料版だと使えるパソコンは2台までで、デバイスをまたいでのコピー&ペーストなどはできません。
有料版(Pro)だと、最大9台のPCを接続できるとか。

ご興味がある方は調べてみるといいと思います。

まとめ

パソコン3台に、それぞれキーボードとマウスがあったときと、比べて今はとても快適です。
作業効率も上がりました。
キーボードに2万円超というのは、決して安くはありませんが、機能性を考えるととても満足しています。

弊社では、お客様が抱える問題・課題に応じて、解決策をご提案し、サポートいたします。
特定の業者ではなく、中立的な立場であるからこそ、より最善のご提案ができるのだと考えています。
困ったことがあったときに、「ちょっと聞いてみよう」と思ってもらえるような存在になれたら幸いです。
当社だけで解決できない問題については専門家とチームを組み解決に努めます。

領収書の電子化について(4)~電子帳簿のまとめ

最終回の今回も、TAX(税金)ライターとしてご活躍の阿部正仁氏に「電子帳簿について」解説していただきます。

過去の記事は以下からご覧ください。
領収書の電子化について(1)~中小企業が知っておきたい電子帳簿の概要
領収書の電子化について(2)~会計における電子帳簿とは
領収書の電子化について(3)~給与計算に関する電子帳簿とは

領収書の電子化
中小企業が電子帳簿を導入するポイントは次の5つに集約されます。

1.目的意識を明確する
電子帳簿の導入は経理の合理化であり、費用対効果の小さいコストの削減が目的です。そのコストとは「事務作業の手間に伴う人件費」と「営業など販促活動の時間が奪われることにより生じる機会損失」の2つです。

2.電子帳簿の全貌を知る
電子帳簿は会計帳簿や領収書のスマートフォンでの撮影による保存だけではありません。給与計算も含まれます。特に中小企業の場合は会計と給与計算を兼任するのが普通です。まずは電子帳簿の全貌を知ることからスタートしましょう。

3.電子取引にシフトする
特に相手からの書類を紙媒体で受領するとスキャナー保存をしなければなりません。スキャナー保存は領収書をスクラップブックに貼る作業よりは事務作業の効率は上がります。しかし、電子取引にシフトしたほうがさらに効率はアップします。

4.汎用ソフト、機器、顧問税理士を最大限に活用する
電子帳簿の導入をすべて自社で行うのは大変です。たとえば、会計帳簿の電子化には会計ソフトの機能は必要不可欠であり、スキャナー保存にも密接に関係します。また、運用規定の作成は顧問税理士に任せましょう。

5.給与計算だけでも電子帳簿を導入する
電子帳簿を導入するのにハードルが高いと感じる場合、まずは給与明細書だけでもPDFファイルなどで従業員に交付することをおすすめします。それによって、プリントアウトする手間や印字位置の調整をする手間から解放されます。要するに電子帳簿の導入により、事務作業の合理化を実感できることが大切です。

参考:ご紹介した事項の目次

領収書の電子化について(1)~中小企業が知っておきたい電子帳簿の概要

1.はじめに
・電子帳簿の導入による経営効果
・合理化可能な事務作業の内容
・電子帳簿の導入の難易度は低い
・電子帳簿の導入を妨げる原因

2.中小企業版電子帳簿の全貌を解説する
・電子帳簿のアウトライン
・中小企業だからこそ知っておきたい電子帳簿のデメリット

領収書の電子化について(2)~会計における電子帳簿とは

1.電子帳簿は4種類ある
・電子取引に関する書類を電子媒体で保存するルール
・会計帳簿を電子媒体で保存するルール
・自社で作成した書類を電子媒体で保存するルール
・相手から受領した紙媒体の書類を電子媒体で保存するルール
・電子媒体で保存するプロセスを整備するためのルール

2.会計における電子帳簿を導入するポイント
・目的を明確にする
・紙媒体の書類のやり取りを電子取引にシフトする
・電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを導入する
・できれば経費精算システムを導入する
・顧問税理士を最大限に活用する
・社内ルールを整備する
・おすすめのソフトと機器

領収書の電子化について(3)~給与計算に関する電子帳簿とは

1.電子媒体で保存できる給与計算に関する書類
・従業員へ交付する書類を電子媒体で保存するためのルール
・賃金台帳などの書類を電子媒体で保存するためのルール
・年末調整に関する書類

2.給与計算で電子帳簿を導入するポイント
・目的意識を明確にする
・給与明細書や源泉徴収票を電子交付が給与計算の合理化には必須
・会計に関する電子帳簿の導入よりもハードルが低い
・紙媒体または電子媒体で保存するかどうかを吟味する
・おすすめの給与計算ソフト

領収書の電子化について(4)~電子帳簿のまとめ

著者:阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。

中小企業のIT化にはクラウドサービスの利用がおすすめ

ケースバイケースという前提はありますが、中小企業からIT化のご相談を受けた場合、目的に合ったクラウドサービスをおすすめすることが多いです。
そこで、今回はクラウドサービスとは何か?について、ITに詳しくない方向けに解説します。

クラウドサービスの概要

「クラウド」という言葉は耳にしたことがあっても、説明しようとすると途端に言葉に詰まってしまうというのはよくあることかもしれません。
決して難しくはないのですが、説明しにくいというのはありそうです。

総務省が運営する「国民のための情報セキュリティサイト」によると、次のように説明されています。

クラウドサービスは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するものです。利用者側が最低限の環境(パーソナルコンピュータや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くWebブラウザ、インターネット接続環境など)を用意することで、どの端末からでも、さまざまなサービスを利用することができます。

 

具体例を用いて考えてみましょう。

身近な例ですとGmailはクラウドサービスのひとつです。
パソコンやタブレット、スマートフォンなど、端末によらず、Webブラウザからメールの送受信ができますね。
(メールを端末にダウンロードすることも可能ですが)特に設定等を行わなければ、メールは端末ではなく、クラウドに保存されています。
そのクラウドにインターネットを介してアクセスすることで、閲覧したり、メールを送信したりできるのです。

メールを閲覧するのに必要なものは、インターネッとができる環境のみ。

 

次に、従来広く利用されていた方法を考えてみます。
企業内にメールサーバーを用意して、メールの運用を行っていました。
この場合、メールを使うためには、Outlookなどのメールソフトをインストールしたパソコンが必要です。

会社でメールサーバーを用意し、各自のパソコンにメールソフトを用意して、初めてメールが遣えるようになります。
それに加えて、メールのセキュリティ対策も必要になり、運用、管理するためのコストと時間が必要です。

 

ここでは、メールを例に考えてみましたが、クラウドサービスは何もメールに限ったものではありません。
勤怠管理システムや営業管理システム、顧客管理システム、在庫管理、会計ソフト、オンラインストレージ、e-ラーニング、テレビ会議システムなど、多様なサービスがあります。

まとめていきます。

クラウドサービスを使うメリット

導入が簡単

これまでの業務用ソフトウエアは、サーバーやソフトの購入が必要でした。このため初期費用が高額になりやすく、慎重に吟味する必要がありました。これがクラウドサービスの場合は、導入コストがかからないケースが多く、月単位など短期間でも契約が可能なため、実際に導入してみて良ければ使い続けるなど、リスクの少ない形で導入ができます。
また導入するにあたり、サーバーの設定などが不要のため、IT部門の負担が軽減できますし、ITの専門家が自社にいない場合も導入しやすいです。
申込を行ったその日から利用できるサービスもあります。

運用が楽(運用コストの大幅な削減)

社内でサーバーやソフトウエアの維持管理、特別なセキュリティ対策などが不要のため、そこに人手を割く必要がありません。パソコンにインストールして使うタイプのソフトの場合は、手動でのバージョンアップなどが必要なケースもありますが、クラウドサービスであれば、常に最新のものが提供されます。社内にはITスキルの高い方もいれば、詳しくない方もいらっしゃるので、手動でのバージョンアップを徹底するのは、思いのほか大変です。結果的にクラウドサービスを使う方が、運用コストが大幅に削減できるケースも多くなります。

従量課金で使える

クラウドサービスの良い面として、「月額○円」「1ユーザー○円」といった形で使える点にあります。社員が増えたら、その分だけ追加しやすいですし、逆に退職したら、来月から減らすことも可能。また、例えば容量が足りなくなったときなども、課金をすればすぐにストレージを追加してもらえます。このため急な環境の変化にも対応しやすく、無駄な費用がかかりにくいのはメリットでしょう。
こういった手続きもオンライン上から簡単に行うことができます。

パソコン以外にスマホやタブレットからも利用できる

クラウドサービスによりますが、インターネットの環境さえ用意できれば、パソコン以外にスマホやタブレットからも使えるものが多いです。外出先から気軽にアクセスできるのはメリットのひとつでしょう。

クラウドサービスのデメリット

オンライン環境がないと利用できない

クラウドサービスを利用するには、インターネット環境が必須です。何らかの理由でインターネットに障がいが起きると、利用できなくなります。
またインターネットを介してやりとりするため、どうしてもセキュリティ面でのリスクもあります。十分なセキュリティ対策が行われているクラウドサービスを選ぶことが必要です。

自社に合せたカスタマイズが難しい

ほとんどのクラウドサービスは、自社に合せたカスタマイズが難しいです。
ただし、オプションが用意されている場合は、ある程度までオプションを組み合わせることで対応できるケースもあります。

サービス中止の可能性がゼロではない

サービスを提供する側のサービス停止などにより、突然クラウドサービスを利用できなくなる可能性もあり得ます。

 

ITの専門家を自社で用意するのが難しい中小企業も、クラウドサービスを使うことで、自社のIT化を進めていくことが可能です。

弊社では、お客様が抱える問題・課題に応じて、解決策をご提案し、サポートいたします。
特定の業者ではなく、中立的な立場であるからこそ、より最善のご提案ができるのだと考えています。
困ったことがあったときに、「ちょっと聞いてみよう」と思ってもらえるような存在になれたら幸いです。
当社だけで解決できない問題については専門家とチームを組み解決に努めます。

領収書の電子化について(3)~給与計算に関する電子帳簿とは

今回も、前回に引き続き、TAX(税金)ライターとしてご活躍の阿部正仁氏に「電子帳簿について」解説していただきます。

過去の記事は以下からご覧ください。
領収書の電子化について(1)~中小企業が知っておきたい電子帳簿の概要
領収書の電子化について(2)~会計における電子帳簿とは

領収書の電子化
会計だけでなく給与計算も書類を電子媒体で保存することが認められています。特に中小企業の場合、会計と給与計算を兼任するのが普通であり、給与計算の電子帳簿についての知識はぜひとも押さえておきたいところです。そこで、電子媒体で保存するためのルールと導入するポイントについて解説します。

電子媒体で保存できる給与計算に関する書類

給与計算に関する書類を電子媒体で保存できるのは、おもに次の3種類です。

  1. 給与明細書や源泉徴収票など従業員へ交付する書類
  2. 賃金台帳など会社で保存する書類
  3. 年末調整に関する書類

従業員へ交付する書類を電子媒体で保存するためのルール

給与明細書や源泉徴収票はプリントアウトして従業員へ交付するのが一般的でしょう。しかし、紙媒体に代えて、電子媒体での交付と保存が認められています。それでは、具体的なルールを見ていきましょう。

1.電子媒体で交付することについて事前に従業員の同意を得る
給与明細書や源泉徴収票はプリントアウトして、紙媒体で交付するというのが基本です。電子媒体で交付することは例外であるため、税法上では事前に従業員の同意を得ることが求められます。実務上では、従業員に同意書を書いてもらいます。口約束では、後々のトラブルにつながりかねないからです。もちろん、従業員から同意を得るのは最初の1回だけです。同意書については4で詳しく説明します。

2.給与明細書や源泉徴収票を従業員へ電子媒体で交付する方法
電子媒体で交付する方法は次の通りです。

【電子メールを用いる方法】
給与明細書や源泉徴収票をPDFファイルなどで保存し、電子メールに添付して従業員へ交付します。

【従業員が閲覧できるようにする方法】
クラウド上や社内LANで従業員が自分の給与明細書や源泉徴収票を閲覧できるようにする方法があります。実際に交付する作業が省略できます。

【磁気媒体を用いる方法】
MOやCO-ROMなど磁気媒体に給与明細書や源泉徴収票を記録して、従業員へ交付する方法があります。

3.給与明細書や源泉徴収票はいつでもプリントアウトできる体制にする
「紙媒体の給与明細書や源泉徴収票がほしい」と求められたら、会社は従業員の求めに応じる義務があります。特に医療費控除などの確定申告をする際には、基本的に電子媒体の源泉徴収票は添付資料として認められません。

4.同意書の内容
次の内容を記載した電子媒体の同意書に「電子交付について承諾する旨、承諾日、従業員の氏名」などを入力してもらいましょう。もちろん、紙媒体で配布して従業員に記載してもらう方法もあります。

【電子媒体で交付する書類の名称】
おもに「給与明細書」と「給与所得の源泉徴収票」が挙げられます。

【電子媒体の種類や具体的に交付する方法】
電子媒体で交付する方法に応じて、次の内容を記載しましょう。

交付する方法 記載内容
電子メールを用いる場合 電子メールで送信する旨、メールアドレス など
従業員が閲覧できるようにする方法 データを閲覧に供する旨、給与明細書や源泉徴収票のデータを掲載するホームページアドレス、閲覧方法 など
磁気媒体で交付する方法 CD-COMなど交付する媒体の種類

【ファイルへの記録方法】
XML形式、PDF形式、暗号化してファイルに記録する旨およびその複合化方法などを記載します。

【交付予定日】
給与明細書なら「給与支給日に交付する」、源泉徴収票なら「毎年12月25日に交付する」など、具体的な交付予定日を記載します。

【交付開始日】
交付開始日を記載します。

【その他参考となる事項】
特に記載しなくても差し支えありませんが、「(従業員の)求めに応じて紙で交付することができる」など明記して、電子交付についての安心材料を記載するのが有効でしょう。

5.従業員から紙媒体での交付に切り替えることを求められたら
会社は従業員の求めに応じる義務があります。仮に従業員から紙媒体での給与明細書や源泉徴収票の交付を求められたら、電子媒体で交付することは認められません。

6.電子媒体の給与明細書や源泉徴収票は画面表示をできるようにする
給与明細書や源泉徴収票は画面表示ができ、交付を受けた従業員が肉眼でデータを確認できるようにする必要があります。たとえば、文字がコード化されているなど、画面上でデータが確認できない場合は、画面表示の条件を満たしません。

賃金台帳などの書類を電子媒体で保存するためのルール

会社は労働基準法で定められている保存すべき書類を紙媒体に代えて、電子媒体で保存することが認められています。具体的なルールは次の通りです。

1.電子媒体での保存が認められている書類の範囲
支店または店舗単位で次の書類を電子媒体により保存することができます。おもな範囲は次の通りです。

【賃金台帳】
労働基準法で定める賃金台帳は次の内容が記載されていることを指します。

  • 氏名
  • 性別
  • 給与計算期間(例 20日締めの給料なら○月21日~○月20日)
  • 労働日数
  • 労働時間数
  • 残業時間数、深夜労働時間数、休日労働時間数
  • 基本給、通勤手当など賃金の項目とそれぞれの金額
  • 給与の一部を控除した金額

【労働者名簿】
会社は次の内容を記載した労働者名簿を保存しなければなりません。

  • 性別
  • 住所
  • 従業員を雇用した年月日
  • 退職年月日および退職理由(解雇の場合は解雇理由も含む)
  • 死亡退職の場合は退職年月日および死亡原因

※従業員が30人以上の会社に限り、従事する業務の種類の記載が必要です。

【労働条件を明示した書類】
従業員と雇用契約を結ぶ場合、事前に次の条件を提示する必要があります。

  • 契約期間(正社員のように「期間の定めなし」を含む)
  • 従事する業務
  • 就業場所
  • 始業時間および就業時間
  • 残業の有無
  • 休憩時間および休日
  • 給料の金額
  • 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の有無

【労働関係に関する重要な書類】
雇用契約書や出勤簿などが挙げられます。

【従業員の健康診断の結果表】
会社は従業員の健康を管理する義務があるため、健康診断の結果表を保存する義務があります。

【社会保険に関する書類】
健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険に関する書類のことを指します。

2.保存するルール
電子媒体の書類を画面上に表示でき、労働基準監督署や税務署の職員が肉眼で確認できることが条件です。また、これら職員の求めに応じてプリントアウトできるようにする必要があります。電子帳簿保存法とは違い、具体的なルールは設けられていません。

3.保存方法
給与計算ソフトへ入力したり、紙媒体の書類をスキャナー保存したりする方法が挙げられます。

年末調整に関する書類

年末調整に関する書類は次の2つに区分できます。

  • 従業員から預かる生命保険料控除証明書など紙媒体の書類
  • 「給与所得者の扶養控除等申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」など会社または従業員が作成する書類

両者では電子媒体で保存するルールが異なります。

1.従業員から預かる紙媒体の書類
電子帳簿保存法のスキャナー保存と全く同じルールであり、一般書類です。預かった書類をスキャナー保存して、タイムスタンプを付与します。その後、相互けん制により本人と別の人が画像と紙媒体の書類を突き合わせて、定期検査による最終チェックを得て、保存または破棄を選択することになります。

2.会社または従業員が作成する書類
事前に税務署への申請が必要ですが、電子帳簿保存法のルールとは次の点で異なります。

【申請期限】
電子帳簿保存法は電子帳簿を導入する日の3カ月前ですが、年末調整の場合は還付金を計算する直前までに申請すれば大丈夫です。

【税務署長などの承認は不要】
電子帳簿保存法は税務署長などの承認を得られなければ電子帳簿の導入はできませんが、年末調整の場合は申請すれば即承認されます。

【保存方法を選択する】
電子媒体で保存する方法について次のいずれかを選択します。
・クラウド上やサーバーなどでの管理する
・CD-COMなど磁気媒体に記録する

【本人確認ができる措置を講じる】
紙媒体と同じように電子媒体でも作成した書類が従業員本人のものであることを確認できる状態にして会社へデータ送信する必要があります。その手段として、次のいずれかを選択することになります。
・従業員本人がマイナンバーカードを用いて電子署名をする
・会社は従業員ごとにID(識別番号)とパスワードを設定する

3.一人別源泉徴収簿は作成する必要なし
年末調整に一人別源泉帳簿を用いる会社は多いですが、あくまでも従業員の所得税の計算資料にすぎません。そのため、電子帳簿の対象から外れています。

税務調査で従業員の所得税の計算過程を知るため、毎月の給与の金額が記載されている必要があります。一人別源泉帳簿がその役割を果たしますが、しかしそれは賃金台帳で代用できます。

したがって、無理して一人別源泉帳簿を作成する必要はありません。また、給与計算ソフトへ入力すればプリントアウトできますが、それも不要です。

給与計算で電子帳簿を導入するポイント

そもそも給与計算は会計と違って、「確定申告の直前にまとめて行う」など先延ばしにすることが許されません。 しかし、給与明細書をプリントアウトして封に入れる作業は手間がかかり、それに伴う人件費は費用対効果の小さい費用です。そのため、給与計算で電子帳簿を導入する意味があります。それでは、導入するポイントを見ていきましょう。

目的意識を明確にする

電子帳簿の導入で事務的手間を省くのはもちろん、給与計算は先延ばしや計算ミスが許されません。だからこそ、毎月の給与や年末調整のデータを正確に入力することに集中できる体制づくりが大切となってきます。

給与明細書や源泉徴収票の電子交付が給与計算の合理化には必須

特に給与明細書を紙媒体で交付する手間は従業員の人数に比例します。たとえば、従業員が5人と10人の会社を比較すると、作業量の違いは倍となります。また、給与計算ソフトの指定用紙を用いるとなおさら手間がかかります。データを指定用紙の枠内に印字するために、印字位置の調整が大変だからです。たとえば、「給与明細書の印字位置を右に何ミリ移動させようか」など細かい微調整を毎月行うことになります。

そのため、給与明細書や源泉徴収票を電子交付する方向へ持っていくことの意味があります。まずは確実に従業員の同意を得ることが電子帳簿の導入のスタートでしょう。そこで、説得する手段として、従業員にとってのメリットを紹介します。

1.給与明細書が自宅で復元できる
たとえば、従業員が住宅ローンを申し込むとします。当然、銀行は収入証明書の提出を求めてきます。申込時期年初なら源泉徴収票がその従業員の収入証明書になり得ますが、仮に申込時期が7月の場合、直近の給与明細書の提出を要求してきます。そのとき、給与明細書が紙媒体で交付されている場合、再発行を会社に依頼しづらいでしょう。その点、電子媒体で交付を受けている場合は、PDFファイルを自宅でプリントアウトすれば済む話です。

2.給与明細書の再発行が依頼しやすい
そもそも従業員が給与明細書の再発行を依頼しづらい原因に、会社側の事務的手間を察知している点が挙げられます。確かに紙媒体で交付する場合は、給与明細書の発行に手間がかかります。特に給与計算をアウトソーシングしている会社は、再発行を外注先に依頼しなければなりません。それでは、従業員の再発行の求めにタイムリーに対応することは難しいです。

しかし、給与明細書を電子交付している場合、事務的手間は従業員への電子メールに添付ファイルを送信するだけです。仮に給与計算をアウトソーシングしている場合でも同様の手間で済むため、タイムリーに対応してくれる可能性が高いです。

3.退職者の源泉徴収票を送付する手間が省ける
年末になると再就職先へ源泉徴収票を提出するため、退職者が会社へ発行を依頼するケースはよくある話ですが、辞めた会社へ電話を入れるのは心理的ハードルが高いです。そのハードルを少しでも下げるために事務的手間のかからない電子媒体での交付が有効です。

会計に関する電子帳簿の導入よりもハードルが低い

会計に関する電子帳簿は細かいルールがたくさんあり、税務署への申請と税務署長などの承認が必要です。しかし給与計算の場合、従業員から預かる年末調整に関する書類を除いて、手続が簡単です。たとえば、賃金台帳を電子媒体で保存するとします。税務署への手続は不要であり、給与計算ソフトへ入力してデータを保存するだけで済みます。

また、賃金台帳など会社で保存する書類は、たとえば社会保険に関する書類をスキャナー保存しても、検索機能やタイムスタンプを付与するなど電子帳簿保存法で求められている条件を満たす必要はありません。ただ、電子媒体で保存するだけで済みます。

以上のように、給与計算に関する電子帳簿の導入は会計よりもハードルが低いのです。

紙媒体または電子媒体で保存するかどうかを吟味する

電子媒体は事務的手間が省けて、保存スペースを必要としないため、給与計算の合理化に向いています。しかし、電子媒体の書類はトラブルに陥ったとき、紙媒体の書類と比較して、不利な取り扱いを受けてしまいます。

たとえば、勤務不良の従業員を合法的に解雇したとします。それを合法的と裏づけるためには証拠として認められる書類を用意しなければなりません。そのため、雇用契約書や査定表などを安易に電子媒体で保存すると、解雇理由が証明できず、会社側が不利になってしまいます。

要するに証拠として必要な書類は紙媒体で保存しておくほうがいいでしょう。また、人材派遣業など多くの雇用契約者がいる場合、雇用契約書が膨大になる場合はマイクロフィルムで保存する方法に代えても、証拠として認められます。

おすすめの給与計算ソフト

使用している会計ソフトと同じメーカーの給与計算がおすすめです。

  • 弥生給与
  • 人事労務 freee
  • MFクラウド給与

次回が最終回になります。
まとめを行いますので、どうぞお楽しみに!

著者:阿部正仁
TAX(税金)ライター。会計事務所で約10年間の勤務により調査能力を身に付けた結果、企業分析の能力では高い定評を得、法人から直接調査を依頼される実績も持つ。コーチングスキルを活かした取材力で、HP・メディアでは語られない発言を引き出すのが得意。

【G Suite】データ探索とは?Googleのスプレッドシート、ドキュメント、スライドが仕事を効率化してくれる

こんにちは。

GメールやGoogleカレンダーなど、有料無料問わずGoogleのサービスをお使いの方は多いですね。
今回は、スプレッドシート、ドキュメント、スライドをより便利に、そして効率的に作業が進められる「データ探索」機能をご紹介します。
知っておいて損はない機能ですので、「データ探索って何?」という方は、ぜひお読みください。

データ探索とは?:エクセル・ワード・パワーポイントも今はAIに手伝ってもらう時代

以前はマイクロソフトのOffice製品をお使いの方がほとんどでした。
でも近年はGoole製品をお使いの方が増えてきています。
ちなみに、弊社でもGoogle製品を積極的に活用しています。

Google製品は、次の表のようにOffice製品と互換性があることはよく知られていますね。

 グーグル マイクロソフト
 表計算 スプレッドシート Excel
文書作成 ドキュメント Word
プレゼンテーション スライド パワーポイント

では、Google製品には、AI(人工知能)が搭載されていることをご存じでしょうか。
それが今回ご紹介する「データ探索」です。
AIと聞くと難しそうに感じてしまうかもしれませんが、ボタンをクリックするだけで使える機能なので、抵抗感を取り払ってお試しいただきたいと思います。

ここから、より具体的に、どんなことができるのかツールごとに確認していきましょう。

Googleスプレッドシート:グラフの作成と分析

スプレッドシートに搭載されている「データ探索」を使うと、表の書式を提案してくれたり、グラフや分析結果を自動で表示してくれます。

【データ探索の使い方】
データ探索ボタンの位置

画面右下にある「データ探索」ボタンをクリックするだけです。

書式について
スプレッドシートの書式について

提案された表示形式の中から、適用したいものをクリックするだけで、簡単に見栄えの良い、分かりやすい表になります。
気に入った候補がない場合は、「編集」をクリック、色などを変えることが可能です。

グラフと分析について
スプレッドシートのグラフについて

Googleがデータを元にて、グラフの提案と分析を行ってくれます。
予め範囲を選択しておくと、その選択範囲に関する分析が行われ、特に指定しなかった場合はカーソルのある位置に基づいて分析してくれます。

スプレッドシートのグラフ2

グラフにマウスを当てると、どのデータがグラフに使用されているのか一目瞭然。
今回だと2015年のデータはグラフの凡例の色と同じ「青」、216年は「赤」、2017年は「黄色」、2018年は「緑」でハイライトされます。
エクセルやスプレッドシートに慣れていない方にも、分かりやすいと思います。

グラフをドラッグアンドドロップすると、シートにグラフを挿入できます。

スプレッドシートの分析について

分析までしてくれますよ。

スプレッドシートのデータ探索は完璧ではない

今回だと「2018」となるべきところが「単位:本数 2018」となっているなど、必ずしも完璧ではありませんが、一からグラフを作るよりも簡単です。

そしてエクセルが苦手な人にとって、この機能はとても心強い味方になるでしょう。

Googleヘルプ:スプレッドシートでグラフと分析情報の候補を表示、使用する

Googleドキュメント:画像の提案

Googleドキュメントの「データ探索」もスプレッドシート同様、右下のボタンをクリックすると利用できます。
サンプルに用意したドキュメントは、当ブログの人気記事のひとつです。

「データ探索」をクリックした結果がこちら。

ドキュメントのデータ探索

インターネット上から資料に合う画像を提案してくれます。
今回だと、「G Suite」「Office 365」のロゴの提案がありました。
ここで提案される画像は「改変後の再利用が許可された画像」で、著作権侵害の心配はいりません。

ドキュメントの画像挿入

画像にカーソルを合わせると「+」マークが表示され、「+」をクリックするとドキュメントに画像を挿入できます。
そして、ドキュメントに画像を挿入すると、画像の出展URLが表示されますので、念のため画像の出典は確認しておいたほうが安心ですね。
このURLは変更したり、削除したりすることもできます。

ドキュメントのデータ探索のキーワード

検索ボックスにキーワードを入れると、ドキュメント内にウェブ検索、画像検索、ドライブ内の検索結果を表示させることが可能。
提案された画像の中に良いものがなかったときは、画像検索で探すと、他の候補も出てくるので、試してみるといいでしょう。

Googleヘルプ:ドキュメントでコンテンツの候補を表示、使用する

Googleスライド:レイアウト・デザインの提案

Googleスライドの「データ探索」のボタンも画面右下です。

スライドのデータ探索

「データ探索」ボタンをクリックすると、レイアウトの候補が表示されます。
気に入ったレイアウトをクリックすれば、適応できます。

スライドのデータ探索にて、キーワードで検索

またドキュメントと同様に、検索ボックスにキーワードを入れて情報を検索することも可能。
画像検索を使えば、スライド作りに必要な画像を探すのも簡単です。

レイアウトの候補が表示されないときは、Googleヘルプによると

レイアウトの候補が表示されるようにするには、次のようにします。

  • スライドのデフォルトのテーマやレイアウトを使用する。
  • スライド内のテキストの量を減らす。
  • スライドから図形を削除する。
  • すべての画像のサイズを 100×100 ピクセル以上にする。

とのことです。

Googleヘルプ:プレゼンテーションでレイアウトの候補を表示、使用する

今回は以上になります。
当サイトでは、他にもG Suiteに関する情報を発信しています。
ご興味があるようでしたら次のページの下部に目次を入れていますので、ぜひご覧ください。

参考:G Suiteを活用した業務効率化のご提案

弊社では、お客様が抱える問題・課題に応じて、解決策をご提案し、サポートいたします。
特定の業者ではなく、中立的な立場であるからこそ、より最善のご提案ができるのだと考えています。
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当社だけで解決できない問題については専門家とチームを組み解決に努めます。